小規模事業者持続化補助金の申請が殺到しています
中小企業庁管轄の「小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>」がかなりの人気となっています。
中小企業庁は経済産業省の外局ですので、補助金対象者は「全国の小規模事業者」です。
今年は<コロナ特別対応型>があり、補助率が3/4と他の補助金に比べ高くなっているため人気沸騰しています。
また、幅広い業種が対象となっていること、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境整備など時代に即した?補助金であることも人気となっているようです。
小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>の概要
新型コロナウイルス 感染症 が事業環境に与える影響を乗り越えるために、具体的な対策(サプライチェーンの毀損への対応、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備)に取り組む小規模事業者等が経営計画を作成し、その計画に沿って地道な販路開拓等に取り組む費用の2/3 または3/4 を 補助します。
補助上限額: 100万円(さらに、業種ごとのガイドラインに基づいた感染拡大防止の取組(事業再開枠)を行う場合は、定額補助・上限50万円を上乗せいたします。
加えて、クラスター対策が特に必要と考えられる業種(「特例事業者」という)については、さらに上限を50万円上乗せが可能です。(コロナ特別対応型か事業再開枠か、自由に配分可能です)
公募要領より
上記の概要中の青字部分が重要です。
まずはこの青字部分を満たせるか、相当するかをチェックしてください。
直近第3回の採択率は34%、取得するのがかなり難しい補助金です
小規模事業者持続化補助金は過去の採択率は各年変動がありますが、50%前後でした。
2020年は第1回、第2回ともに81%強とかなり高い採択率でした。
これはコロナの第1波期間であったためか申請件数もかなり少なかったためです。
2020年の第3回(8月7日〆切)の申請件数は3,700件超と第2回の1.5倍と増加していますが、採択件数は第2回目の60%程度に減っています。(10/30発表)
その結果採択率は約34%と急降下しており、補助金取得の難易度が大幅にアップしました。
採択率が下がった理由はいくつかあるかと思いますが、
・商工会議所によるチェック済みの証明書(支援機関確認書)が不要になったため、申請書のレベル(質)が下がった
・補助金申請の専門家、コンサルによる申請が過半数を占めると思われますが、個性のない、主張が感じられない申請の排除(テンプレートを基に作成している場合どれも似たような申請となります)
・各回の予算が絞られ始めている
などが考えられます。
小規模事業者持続化補助金で採択されるためには
採択率34%とは3人に1人しか審査に通過できないということです。
この後の第4回はさらに申請数が増大しているようなので、予算が第3回と変わらない場合でも採択率は低下するでしょう。
現在公募中の第5回は難関国家試験並になるかも?
では、小規模事業者持続化補助金で採択されるにはまず以下の点を徹底的にインプットしてください。
基礎審査
次の要件を全て満たすものであること。要件を満たさない場合には、その提案は失格とし、その後の審査を行いません。
①必要な提出資料がすべて提出されていること
②「 補助対象者 」・「 補助対象事業 」の 要件に合致すること
③補助事業を遂行するために必要な能力を有すること
④小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ等を基にした取組であること
加点審査
提出された経営計画書について、以下の項目に基づき専門家による加点審査を行い、総合的な評価が高いものから順に採択を行います。
①新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響 を乗り越えるための取組として適切な取組であるか。
②『 サプライチェーンの毀損への対応 』、『 非対面型ビジネスモデルへの転換 』、『 テレワーク環境の整備』のいずれか一つ以上に関する取組を行い、補助対象経費の1/6以上の投資を行う事業計画になって いるか。
③自社の経営状況分析の妥当性、経営方針・目標と今後のプランの適切性、補助事業計画の有効性、積算の透明・適切性を有する事業計画になっているか。
(以上、公募要領から抜粋)
基礎審査項目を満たすのは当然ですが、加点審査も①から③まで全て満たしてください。
これで初めて審査の土俵に立つことができます。
もし専門家の支援を検討するなら
この小規模事業者持続化補助金での支援なら行政書士がおすすめです。(下記の注意事項も読んでください)
WEBなどで検索すれば補助金の専門家がヒットします。
大きく分けて次の2つに分かれるかと思います。
「着手金ゼロ、成功報酬xx%」
「着手金xx円、成功報酬xx%」
着手金なしの場合は申請が受託されなかった場合は費用はゼロですが、受託された場合の成功報酬が高めの傾向があります。
一方、着手金ありの場合は申請が失敗しても着手金は返ってきませんが、成功報酬が低めになっている傾向があります。
「補助金申請に自信があるから着手金なし」の謳い文句がよく見られますが、これには少々疑問があります。
「着手金なし」の方が「あり」よりも依頼しやすいため、申請件数を多くするには有効かと思います。
しかし、申請書作成には労力、時間が必要です。
当事務所の例で恐縮ですが、依頼があればまず面談を行い依頼者(申請者)の事業内容、今後の事業計画、補助金活用方法などについて打ち合わせをします。
その後、事業者の同業者、市場動向などの情報収集、調査をし丸々2日かけてラフな申請書(ドラフト、最終版の50%程度)を作成します。
そして、中1日寝かせたのち、ドラフト版に手をいれ最終版の80%程度にし、さらに翌日最終版に仕上げます。
当事務所ではこのようなスケジュールで作成しますが、この時点でいただいた着手金ではマイナスの状態です。
着手金ゼロにするならどうしても行政書士自身ではなく周りのスタッフに任せ、テンプレートに入力する方法を取り、数をこなさざるを得ないと思われますが、いかがでしょう?
ベストな専門家の選択方法は、
補助金が取れたらラッキー!とお考えなら着手金なしの専門家を、
ぜひ補助金を取りたい!とお考えなら着手金の有無ではなく申請書作成に真摯に取り組む専門家を
おすすめします。
P.S.
当事務所でももっと申請数を増やすことも考えたのですが…
手前味噌ですが、作成に時間をかけているためか、2020年の申請では難関の第3回も含めパーフェクトの結果を出すことができています。(2020/11/1時点)
すでに締め切っている第4回目はさらに難関と思われますが、年末or年始の発表に今からちょっとドキドキかつワクワクしています。
申請代行などにご注意ください
もし申請代行、アドバイスの依頼を検討するなら、これらができるのは行政書士だけです。
最初にも記載しましたが、この補助金は中小企業庁(経済産業省が管轄)が事務局となっていますので、やはり行政書士に申請代行などを依頼してください。
コンサルタント会社、他の士業の広告もよく目にしますが、必ず行政書士登録者が関わっているかを確認しましょう。(後に不正申請、不正受給などとならないように)
参考ですが、厚生労働省の助成金(補助金)は行政書士ではなく、社会保険労務士に依頼してください。
何も知らない行政書士が厚労省の助成金に関わっていることもあるようなので。(これも違法です)
コロナ渦ではいろいろと違法なお誘いがありますので、ご注意ください。
「小規模事業者持続化補助金を利用してホームページをかなり安く(ほぼ無料)作成しませんか」のお誘いはかなり注意してください。
(実際にこのような業者に連絡して手続きの流れを問い合わせたことがありますが、HP作成が200万円超でこれが実質ゼロになると説明してくれましたが、小規模事業者持続化補助金は上限100万円です)
では。